IRCとシクロクロス
IRC
東海シクロクロスでも人気のIRCチューブレスタイヤ
弊社は愛知県名古屋市に本社があり、地元である東海シクロクロスにも協賛させて頂いているのですが、今季、東海シクロクロスは大変盛り上がりましたね!AJOCCのレースになった今季は、毎回前季の倍以上の300人を超えるエントリーがあるようで、驚くとともに大変ありがたく思っています。
(2015年12月20日開催のJCXシリーズ第3戦ワールドネイチャープラザのエントリーは433人でした)
東海シクロクロスは、坂が少なく比較的平坦なコースが多いのですが、路面は変化に富み、シクロクロスの醍醐味をどなたでも味わえるコースになっています。また、ワイルドネイチャープラザのように、ほとんどが砂というコースもあり、サンドタイヤが使われる場面も多いようです。
他のシリーズも同様かも知れませんが、C4のカテゴリーのエントリーが特に多く、シクロクロスを始めたばかりの方が多い印象です。ショップの方やトップライダーがチューブレスタイヤを勧めているようで、半分くらいの方がチューブレスを付けていると認識しています。
チューブレスの大きなメリットは、朝でもタイヤを変えられることです。コースを見て、みんなが履いているタイヤを見て、そこからでも十分変えられます。試走をした後でも変えられますね。
仮にホイールを1組しか持っていなくても、コースに合わせてタイヤのパターンを直ぐに変えられるのが良いのではないでしょうか。
また、チューブタイプと比べてリム打ちパンクが少ないことや、チューブラーと比べてメンテナンス性が高いのもメリットですね。
なぜ、チューブレスなのか?
実際に乗ってみると、路面との接地感がいいですね!チューブがあるかないかなんて気にならないかと思っていたのですが、あれが1枚なくなるだけで接地感がぐっと変わってくるんですよ。それと空気圧を下げられるので、グリップもいい感じがします。同じコンパウンドで同じ仕様で作っていても、明らかにグリップ感が良く感じます。追従性がいいんでしょう。グリップ感が良くなったことで、今まで登れなかった坂が登れるようになったりするんですよ!
(自転車に関しては)チューブレスはMTBからスタートしています。MTBではリム打ちパンクが特に多いので、チューブレスにするとそれがほとんどなくなるということ、チューブが無くなることで少しでも低圧にできるという利点が挙げられます。また、細かな視点からみるとチューブはタイヤの内部で異物となり、摩擦がエネルギーロスとなって転がり抵抗に直結してきます。チューブがなくなる分、チューブレスの方が転がり抵抗が少なくなりますよね。そのようなわけでチューブレスを作りました。ちょうどその頃、リムメーカーさんの協力もあって、開発をうまく進めることが出来たのです。
オートバイのタイヤを作っていますが、オートバイは一部オフロード車とビジネスバイク以外はチューブレスタイヤが増えてきました。その技術をうまく取り込んで転用していけそうだ、ということで始まりました。厳密に言うと、開発も機械も作る人も、オートバイと自転車では別々なんですけどね。工場も別です。
MTBの次に、9年前にロードのチューブレスタイヤを始めました。ロードタイヤは結構大変でした。MTBに比べて空気圧が高いので、それに対応させるのに苦労しました。材料や精度もだいぶ仕上がってきました。
シクロクロスに関して、チューブラーは製造の工程や機械が全く違うので、簡単には始められません。今からチューブラーの開発を、というのはなかなか容易ではありません。では、何がシクロクロスのタイヤでメリットが出せるのかな?と考えたときに、チューブレスを転用すれば、少なくともクリンチャーを使っている層には魅力を感じてもらえる、もっと行くと、メンテナンス性の良さからチューブラーを使っている層にも響くのではないか!ということで、チューブレスで市場開拓をしようと始まりました。
だんだんシクロクロスがディスク(ブレーキ)化されていますので、今後ますますチューブレスの精度や強度、メンテナンス性が有効となってくると考えています。
また、シクロクロスを新たに始める方が増えたことも大きな流れです。昔からチューブラーに慣れ親しんでいる選手にはなかなか難しいと思いますが、今から始める方でしたら、ショップさんとよく話をして進めてもらえれば、チューブレスのメリットを理解してもらえるのではないでしょうか。
東海シクロクロス参加者から、仕事もしながらレースをしているので、チューブラーの張替えの手間が大変だという話を聞きました。会場でチューブレスタイヤの試走の機会もありまして、チューブラーと遜色ないと思ってくれる選手も多かったです。
3種のシクロクロス用チューブレスタイヤ
シクロクロス用チューブレスタイヤは3種類あります。様々なコース設定、路面状況に合わせられるように設計しています。重量は全部同じです。
「SERAC CX MUD TUBELESS」が1番ノブが高く、間隔があいています。サイドノブが立っているのでサイドのグリップが良いです。グリップを稼ぎたい人はマッドを使っていますね。マウンテンバイク乗りの人はこのタイヤを好む傾向があるようです。
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SERAC CX MUD TUBELESS 製品詳細
一般的には「SERAC CX TUBELESS」を使う人が1番多いです。砂を重視する場合は「SERAC CX SAND TUBELESS」。東海シクロクロスのように、ほとんど起伏がなく締まった路面のドライコンディションだったら「サンド」が速いですね、抵抗が少ないですから。「サンド」のサイドにノブを付けて欲しいというご要望はいただいています。今シーズンも中身を変えた試作品のテストを行ったりして、ユーザー様の声に応える開発を続けています。
チューブレスはエアシールをしないといけないので、ビード部分がチューブタイプとは異なっています。そしてタイヤの一番内側には、空気保持層が貼られています。これがあることで、シーラントを入れなくてもシールがされて安定よく走れるというわけです。ただし、対応リムが必要となります。
少々外側を傷つけたとしても、内側の層まで達しなければエアを保持するので、走り続けることが出来ます。シーラントは無くても基本的にエアを保持することは出来るのです。
チューブレスというのは、チューブと同じゴムが、タイヤ側に張り付いていると思ってください。ただチューブよりはその層が薄いのです。突き刺しパンク程度なら、一般的なパンクパッチをタイヤ内側から貼ることで修理も可能です。
乗り方しだいで適用範囲の広がるサンドタイヤ
サンドタイヤは他のタイヤと違ってブロックのエッジがないので、面で走るということが大事になります。ただサンドタイヤに変えたというだけで、乗り方を変えなければ効果が発揮されません。サンドを上手に乗れるようになると、案外、砂以外の色々な場面で使えるようになると聞きます。
それほどトラクションが必要でない芝のコースもいいようです。エッジがない分よく転がりますからね。サンドタイヤはバリエーションが増えていまして、最近ではMTBの27.5と29インチのものを発売準備中です。
シクロクロスは研究熱心な人が多いですね!タイヤのブロックの方向を変えてみたりだとか。当社は進行方向を指定はしているのですが、わざと逆にすることで、より路面に食いつくようになるとか、たまにブロックをカットしている人もいますね(笑)シラクCX チューブレスのセンターを全部カットしてサイドだけ残して即席でセンタースリックを作っている人とか。そんな人もいました。(もちろんメーカーでは推奨していませんので、ブロックのカットなどは自己責任でお願いします!)
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