NEWS and REPORTS

今井美穂選手 感謝のフィニッシュ / 第26回全日本選手権 飯山 2日目

2020年11月29日 長野県飯山市 長峰スポーツ公園

試合の経過はJCFのYoutube配信をご覧ください。
https://youtu.be/V-HJauMsfk8

男子U23、女子エリート ともに波乱のスタートだった、
スタートしてまもなく、最初の泥区間。ここは昨日の試合で土が掘れており、乗車できるか、降りるか、ぎりぎりの場所である。力がある者はここを踏んで通り抜け、誰かが足をつけば、ひとつ後ろのものはよける。よけた者の不意な動きがさらに足つき、落車を広げていく。後ろからは、いつまでも発進しないダンゴを眺めるしかない。
スタートで無酸素の全力で走れば後に跳ね返ってくることは分かり切っている。それはとても怖いことだ。だが、ここでは、スタートで様子を見る、という作戦はあり得ない。長い舗装と、選手を振り分ける登りでいかに先行するか。泥区間のあとのバンクを乗車でターンするか。そこで選別される。
そのあとは低速のクランク、長い平坦、下りだ。100秒無酸素だった心臓の悲鳴を静かにさせ、廻しながら自分のペースを取り戻すことができる。
泥で半周ごとにバイク交換をしなければならない。ピットでは怒号が飛ぶ。3人が先頭を走るSNELは大変だったようだ。
男子U23は果たして、それが起きた。村上功太郎選手、中村龍吉選手、松本一成選手は、目前の落車で40秒を失った。

kawano.jpg

鈴木来人選手には絶好の展開。全力で先頭を走った弾丸川野碧己選手との競り合いは、一人で行くよりもタイム差を稼ぎ出し、レースを作りながらも、2周回目を回復に使うことができた。
このあと村上選手最高ラップで追う。40秒の差を一気に10秒詰める。そして20秒。見える距離である。
仕掛けず、後ろを見ながらマイペースで走ることこそが50分間を耐える最高速。20秒はずっと縮まらず。ジュニアで勝てなかった鈴木選手 初戴冠。
DSC08417.JPG

女子エリート 

https://youtu.be/V-HJauMsfk8?t=8591
DSC08590.JPG
今井美穂選手。遅れたMTBシーズンとシクロクロスシーズが重なった今季、圧倒的な力の差を各試合で見せて来た。よほどのことがなければ勝利は固い。誰もがそう思う優勝候補だ。
そのよほどのことが、スタート直後に起きた。前輪を前の選手にこすらせ、足をつき、集団後方で泥区間に突入。やはり、選手の後方で立ち止まり、40秒を失った。
小林あか里選手が先頭で行き、まもなく自力で勝る輿那嶺恵理選手が長く先頭を行くことになった。
ここからは逃げる輿那嶺選手と追う今井選手は単純に馬力の持久力の戦いになる。これまで直接対決はなかったが、今井選手はいつも通り、猛烈な勢いで行く。
3周回目、ついに今井選手は輿那嶺選手を捉えた。勝負場所は、階段から長い直線の下りへの移行部。
登りの1メートルは下りの10メートル。自分は限界なのに、今並んでいた選手が、スーッと前に去っていく。タイム差以上に、心理的ダメージが大きい。ここで勝負は決した。
https://youtu.be/V-HJauMsfk8?t=10829
今井選手、フィニッシュラインを見上げ、こみ上げてきたのは、一緒に戦った仲間への感謝。

imai.jpg

男子エリート

https://youtu.be/V-HJauMsfk8?t=13295
1周目から、沢田時選手、織田聖選手、少し遅れて地元竹内遼選手。今季成長し、実績を挙げた織田選手に、意地の地元がどう絡むか。意地だけではなく、本当にこの試合に沢田選手、竹内選手はかけてきた。この2人プラス1は、最後まで変わることはなかった。
勝負は女子エリートと同じく。階段から下りへの折り返し。先行したのは織田選手。
「最後はバイク交換をしないと決めていた」沢田選手、ピットインせず逆転。ドロの詰まったマシンのリスクでこの後の平坦に入る。
https://youtu.be/V-HJauMsfk8?t=17331
この後の長い平坦の舗装で勝負を掛けられなかった織田選手は、登りゴールで再度追い越すことはできなかった。
2016年、宇都宮で圧勝した沢田選手。2回目の戴冠。

DSC09138.JPG

男子ジュニアは村上 裕二郎選手、女子ジュニアは渡部 春雅選手がそれぞれ連覇した。

男子U17は高橋 翔選手、U15は松井 颯良選手、女子U17は水谷 彩奈選手、女子U15は石川 七海選手が優勝した。
試合結果はAJOCCのリザルトページをご参照ください
https://data.cyclocross.jp/meet/JPN-201-002

OFFICIAL AJOCC PARTNERS