第 31 回 全日本自転車競技選手権大会 シクロクロス 2日目
大阪府貝塚市 二色の浜公園
2025.12.24
第 31 回 全日本自転車競技選手権大会 シクロクロス
大阪府貝塚市 二色の浜公園
2025.12.13(土)-14(日) 2日目 男子女子エリート、アンダーカテゴリー
夜間に雨が降り、2日目は強風が吹き荒れる中での開催になった。水位の上がった潮は砂浜に押し寄せ、コースラインは10M岸側に寄せられた。コーステープは風対策で下げられ、柵はあらかじめ寝かせられた。
コース沿いには観客が並び、波しぶきを跳ねながら走る選手、水を恐れて脚で駆ける選手に声援を送った。この観客を正面から撮るカメラマンは井上さん。どうしても撮りたいアングルだ。
男子エリート
織田聖劇場であった。駆け引きもなく、ただただ力でねじ伏せる独走だった。後続の来ないフィニッシュライン上ではバイクを皆に見せるように担ぎ上げ名誉を分かち合った。
副島、沢田が離れて追っていたが、残り2周で沢田が追いついた。砂浜で、いつもは通らぬ左のBラインで沢田が攻撃をする。ずっと50分余り続いていた副島が3位に下がった。副島が再逆転を狙って攻撃するが、沢田が許さない。後ろについて力を溜めるということはない、残り1周。同じ場所で副島が攻撃するが、失敗。それでもまだ行く。沢田先行で最後2周は進んだ。砂浜の終盤、舗装路で副島が僅差で先行し、ついに沢田の心を折り、2位を取り戻した。
1 織田 聖 弱虫ペダルサイクリングチーム 59:46.30
2 副島 達海 TRK Works 1:09
3 沢田 時 Astemo宇都宮ブリッツェン 1:10
女子エリート
2周回はおとなしく進んだ。ゼッケン 1,2,3,4,5の5人が一群となり、奥の手を見せないように、見せないように、海岸では、水辺から離れて担いで同じラップを重ねた。
しかし、ささいなミスでお遅れを帳消しにするため、担いで走る選手の後ろから、小林あかり選手は、波打ち際の最速ラインで上がってくるようになった。足を着けば海水をかぶるので乗車クリアが必須だ。だが、40m遅れたのが、ひとつの直線で追いついてしまうのだ。前にいるときは、温存して見せない。後ろでは使う。波に洗われて、わだちが消え、使った痕が残らないラインだ。
もう1周までは皆を騙すことができた。
石田選手は、3秒、8秒、他の選手の目前を走りながら、他の選手のアタックがあるごとに、一緒に走ろうとか、休んでから、という選択をせず、すぐに再度突き放すことを繰り返した。男子も使った、砂浜を北上する区間のBラインだ。大変な消耗だ。他の選手の苦しい思いを、「私は、今季これだけ頑張ったんだから。」と心を折ることに成功した。
1 石田 唯 TRKWorks 52:38.70
2 小林 あか里 Liv Racing Japan 0:37
3 渡部 春雅 Olanda Base/Watersley 0:51
WE 0:00
ME 1:58
男子U23
今季、男子エリートとの混走でも先頭を走ることのできた野嵜選手と、けがからの復帰でどれだけパフォーマンスを戻すことができたか、 柚木選手との戦いだ。
先頭の選手は、追いつかれるかもしれない、とおびえながら必死になることがほとんどなのだが、野嵜選手は、30秒の差を追って来られないことを知ると、勝利を確信していたのだろう。喜びのあふれる表情で最終回を走り、フィニッシュラインでは石垣さんが溶接した自転車を掲げた。歴代チャンピオンも愛した選手個々のジャストのジオメトリーの鉄フレームだ。
1 野嵜 然新 drawer THE RACING/桐光学園高等学校 48:34.10
2 柚木 伸元 日本大学 1:06
3 大室 佑 中央大学 2:30
男子ジュニア
遥か前方を、長い手足で力強く走る姿はマチューのようだ。圧勝。
1 三上 将醐 アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19/横浜立野高校 39:54.00
2 松村 拓弥 群馬工業高等専門学校 1:41
3 山田 駿太郎 弱虫ペダルサイクリングチーム 2:32
女子ジュニア
未来の女子エリートに上がっていく層だ。もっと挑戦して欲しい。いいマシンである必要はなく、おさがりの自転車で地域の試合に参加して欲しい。小林選手は下の年代からとても一生懸命やってきた。今も普段はエリート選手と勝負できている。
1 小林 碧 AX cyclocross team/並木中等教育学校 39:55.20
2 綱嶋 凛々音 北桑田高等学校 3:05
3 塩貝 穂佳 北桑田高校 9:41
男子U17
序盤についた差が、その後変わらず、そのままフィニッシュ。目標となる相手を見失うと、見えない相手を追えなくなる。マスターズで見られた逆転劇がないのは、本当に力の差があるのか、「この調子でこのまま」と思わず、見失った相手を奮起して追う精神力を焚きつけることができなかったか。
1 伊藤 隆聖 Sonic-Racing 26:05.80
2 郷津 輝 Dream Seeker Jr. Racing Team 0:36
3 横田 壮一郎 Fine Nova LAB 1:06
女子U17
1周は皆木選手が着いていけたが、野口選手は強かった。
1 野口 依央 - 34:50.50
2 皆木 海音 AVENTURA CYCLING 1:17
3 綱嶋 勇音 ボンシャンス 1:47
男子U15
男女ともアンダー15は、力の差が大きい。着順は力の順そのままだった。
1 大石 理人 LOKO RACING 28:28.70
2 奥谷 将全 AXIS 0:49
3 村上 鳳冴 村上兄弟 1:19
女子U15
1 数元 陽華 - 34:38.30
2 奧山 真彩 横浜本牧レーシング 2:10
3 今泉 日葵 Q-SHU UNION 3:23
U15 0:00
U17 0:29
WU15 WU17 0:58
MJ 2:04
WJ 3:07
MU23 3:43
この大会2週前からインフルエンザの流行があり、何人かのトップ選手が参加できなかったり、体調不良での参加となった。
何着にはなったけれど、優勝できなかった。そんな話は今回たくさん聞いた。日頃、練習の負荷もそうだが、神経質なほど衛生、体調管理のできたひとがチャンピオンになれるものだ。全くもって、スポーツは体育だけでなく、保健体育であり、自分の体のメンテナンス、自分を仕上げることで戦うものだ。
今シーズンはこの後すぐから、2月まで、たくさんの上位ランクの選手が渡欧する。全日本選手権はゴールでなく、通過点だ。日本で風邪をひいて、大会で調子が出なかった。同じことをオランダ、ベルギーでしないことが肝要だ。
琵琶湖の試合が長く続いており、海岸の走り方は波打ち際一択だ。AJOCCの教本にもそう書いた。ホフスターデの試合を見ると、遠回りになってもそれでも水際を選ぶ選手さえいた。
男子エリートはほぼ全員迷うことなく海に寄ったが、下位のカテゴリーは丘のわだちを選び、濡れることを嫌がる選手が多かった。経験の差以前の話で、甘い。
文 CCM岡本慎治






















