JCX シリーズ第3戦 さがえラウンドは小坂と與那嶺が優勝

JCXシリーズ第3戦、国内UCIレース第2戦の舞台は、山形県は寒河江市。ボート競技場「グリバーさがえ」の周囲をコの字に囲う1周3kmのコースはこの日、前日から降り注ぐ雨によって深い泥沼と化し、参加者の脚力とテクニックを試すこととなる。

　
最高峰の男子エリートカテゴリーに出場したのは合計63名。前日に群馬CSCで開催されたJプロツアー第22戦と連戦するロードレーサーも多く、地元山形出身の土井雪広（マトリックスパワータグ）や阿部嵩之（宇都宮ブリッツェン）、そして鈴木龍（ブリヂストンアンカー）ら豪華なメンツが揃った。

レースはスタート直後から小坂光（宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム）が主導し、前田公平（弱虫ペダルサイクリングチーム）と共に後続を引き離していく。しかし前田はメカトラブルに見舞われて後退。スムーズな走りで重馬場を駆け抜ける小坂に抗うライバルは最後まで現れなかった。

　

　
この日躍進したのが後方からスタートした鈴木龍だ。1周目終了時には単独3番手に浮上し、終盤には度重なるチェーン落ちで後退した前田を抜いて2番手に。しかし粘る前田も猛追を見せてラストラップで鈴木を捉え、最終キャンバー区間で最短ラインを刺してパス。小坂が独走優勝を飾った3分後、先行有利のゴールスプリントに持ち込んだ前田が2位を確保した。

　
17名が出走した女子エリートでは、今季シクロクロス初戦となった與那嶺恵理（エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ）が圧倒的な走りを見せつける。スタートこそ今井美穂（CO2bicycle）の先行を許したものの、1周目中盤から先頭に立つと、その後一度も先頭を譲ることなく独走勝利。苦手だった泥コンディションをものともしない安定した走りだった。
　

次戦は、今週末11月3日（金/祝）に海浜幕張公園で開催される。

　
小坂光（宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム）
「1周目の混戦から早めに抜け出す必要があると感じたので、最初から攻める走りでプッシュしました。調子も良く重いギアを踏めていたので、このまま行ければ勝てるな、と。中盤以降はバイクを交換しながら、後続とのタイム差を確認しつつ淡々と進めました。まだまだコンディションは上げている段階で、全日本選手権を見据えながら調子を整えていきたいですね」

與那嶺恵理（エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ）
「今日はシクロクロス初戦で、まだバイクにも慣れていない状態でしたが、上手く走れたかと思います。ロードレースが長距離化する中、いつまでシクロクロスを続けるか迷っている段階ですが、今年は全日本選手権に向けてしっかりと練習を積んでいこうと考えています。今日はたくさんの人達に会えましたし、やっぱり日本でレースに出るのは楽しいなと感じました」

text:So Isobe
photo:Satoshi Oda

　
男子エリート (3km x 6周)
1.小坂 光（宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム）1:02:28
2.前田 公平（弱虫ペダルサイクリングチーム）+2:45
3.鈴木 龍（ブリヂストンアンカーサイクリングチーム）+2:51
4.宮津 旭（PAXPROJECT）+3:59
5.土井 雪広（MATRIX POWERTAG）+5:21
6.加藤 健悟（臼杵レーシング）+5:40
7.澤木 紀雄（SNEL CYCLOCROSS TEAM）+5:42
8.斎藤 朋寛（RIDELIFE GIANT）+6:15
9.中里 仁（Speedvagen Family Racing）+6:23
10.合田 正之（Cycle club 3UP）+6:23

女子エリート (3km x 4周)
1.與那嶺 恵理（FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope）53:42
2.唐見 実世子（弱虫ペダルサイクリングチーム）+1:14
3.今井 美穂（CO2bicycle）+3:46
4.須藤 むつみ（Ready Go JAPAN）+4:34
5.福本 千佳（Live GARDEN Bici Stelle）+5:18
6.西山 みゆき（ToyoFrame）+5:52
7.上田 順子（ダム部）+6:35
8.高橋 織江（PEDAL NATION）+7:06
9.林口 ゆきえ（Live GARDEN Bici Stelle）+8:09
10.坂本 沙弥（TeamCUORE）+9:54

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