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JCX シリーズ第6戦 マキノ高原は小坂光と與那嶺が優勝

関西シクロクロス 第3戦 マキノ高原 (UCI C2) 2017/11/19

雨とみぞれが降るマキノ高原に集まった男女合わせて112名のエリートライダーたち。UCI(国際自転車競技連盟)のカテゴリー2レースであるJCXシリーズ第6戦(関西シクロクロス第3戦)が滋賀県高島市マキノ高原特設コースで開催された。

滋賀県北部に位置し、福井県との県境に近いマキノ高原は京阪神から自動車で2時間ほどの立地。観光名所のメタセコイヤ並木に近く、12月の営業開始を待つスキー場の斜面を利用したマキノ高原のコースは関西を代表するパワーコースとして知られる。概ね3〜4%の勾配のついたゲレンデを登ったり下ったり(高低差30m)。ただでさえパワーを要するコースは全面泥池となり、雨とみぞれを伴う気温5度ほどの寒さと相まって厳しいレースを選手たちに強いた。

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男子エリートの出走者は89名(エントリー100名)。号砲とともに飛び出したのはオーストラリアからやってきたギャリー・ミルバーン(SPEEDVAGEN X MAAP)で、ここに小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)と前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)が追いつく形で1周目のキャンバーセクションへと入っていく。

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2016年シクロクロス東京5位、同年Raphaスーパークロス野辺山2日目優勝のミルバーンが快調に飛ばしたもののパンクで後退。代わって小坂と前田が先頭で積極的にプッシュし、「序盤からミスが続いてしまった」という沢田時(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)がミルバーンとともに追い上げる展開に。

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この日は泥でラインが見えない直線的な下りでタイヤをパンクさせる選手が続出。パンクで遅れた前田を振り切った小坂が先頭独走態勢を築き、そのままミスなくフィニッシュまで駆け抜けて優勝。ミルバーンが再度パンクしながらも2位まで追い上げ、その後方では沢田が竹内遼(drawer THE RACING)に追いつかれながらも3番手を守った。

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女子エリートは得意のホールショットをとった今井美穂(CO2 bicycle)が勢い良く先行。JCXシリーズリーダーの唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)はスタートミスにより後方に沈んでしまう。

「試走を何回もして、自信を持って走った」という今井が力強さをキープしながら先頭を快走したが、後輪のパンクによって2番手の與那嶺恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope)に40秒差を詰められてしまう。スペアバイクに乗り換えた今井はしばらく與那嶺と抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げたが、やがては與那嶺の走力に軍配が上がった。3位にはフィオナ・モーリス(SPEEDVAGEN X MAAP)と競り合った宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)が入っている。

次戦JCXシリーズは11月25日と26日の野辺山2連戦。12月10日の全日本選手権に向けてどの選手もコンディションを上げた状態でハイシーズンに挑む。

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小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)

「前週の水曜日に風邪をひいてしまって、治ったかなと思ったらまたぶり返してしまい、前日はひたすら休んでいました。アップの段階では微妙な感触だったものの、スタートして前田選手と一緒に先頭に立った時にリズムの良さを感じた。来週の野辺山には全日本と同じトップコンディションで挑みたいと思っていたので、早めに風邪をひいて逆に良かったのかもしれません。今日ここまで走れるとは思っていませんでしたが、今年は自分が一段階強くなっていることを実感していますし、この結果はベースができている証拠かもしれない。そしてその強いイメージを周りの選手に少しずつ植え付けることができていると思います」

與那嶺恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope)
「乗れないところは最初から割り切って下車して、転けないように走ったものの1周目に転倒して出遅れてしまった。沖縄から帰ったばかりで温度差も大きく、疲労もあって思うように走れなかったものの、勝つことを狙いました。今年もオフシーズンはコンディションを落とさずに、ベースを作ってむしろコンディションを上げた状態で1月のロードシーズンに挑む予定です。その一環としてパワートレーニングとしてシクロクロスに打ち込んでいます。もちろん全日本を狙います。今井選手や唐見選手が真剣に立ち向かってきてくれるからレースをしていて楽しいです」

text&photo:Kei Tsuji

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男子エリート (2.8km x 3周)

1. 小坂 光(宇都宮ブリッツエンシクロクロスチーム) 1:03:34
2 .Garry MILLBURN(SPEEDVAGEN X MAAP) +1:39
3. 沢田 時(Bridgestone Anchor Cycling Team) +1:58
4. 竹内 遼(drawer THE RACING)+2:00
5. 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +2:38
6.​ 丸山 厚(BOMA/ROND BICYCLE) +3:40
7. 兼子 博昭(スワコレーシングチーム)+4:04
8. 中原 義貴(紀州DECOJA RACING) +4:46
9. 中村 龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +5:19
10. 前田 公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) +5:39

女子エリート (2.8km x 4周)
1. 與那嶺 恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope) 44:44
2. 今井 美穂(CO2bicycle) +0:21
2. 宮内 佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam) +1:39
4. Fiona MORRIS(SPEEDVAGEN X MAAP) +2:39
5. 唐見 実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) +3:10
6. 西山 みゆき(ToyoFrame) +4:26
7. 福本 千佳(Live GARDEN Bici Stelle) +6:13
8. 平田 千枝(ClubLa.sistaOffroadTeam) +6:16
9. 上田 順子(ダム部) +6:20
10. 江嶋 綾(INTHEWOODS×MAAP) +6:50

フルリザルトは出次第掲載いたします。

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